一番安全な道
酔っぱらいもときには思慮をはたらかすことがある。あるいは、これからお話しする人のように、よい思いつきをすることも。この人は町に出かけたその帰り道、ふつうの道の上を歩かず、よりにもよって、道のすぐそばを流れている小川の中を歩いていったのだ。そこへ、なにか困っている人や酔っぱらいを見るとすぐ世話をやかずにはいられなくなる世話好きな人が通りかかって、さっそくこの酔っぱらいに手をさしだそうとした。「もしもし、あなた、川の中を歩いていらっしゃることに気づかないのですか。道はこっちですよ。」こう彼が言うと、酔っぱらいは、「ふだんは私も乾いている道の方が歩きやすいと思うんですがね、今日はちょっときこしめしすぎたもんで」と答えた。「それだからこそ、あなたを川から助け出してさしあげようというのです」とその親切な人は言った。「いや、私もそれだからこそここにいるんです。だって、川の中を歩いてて転んでも、道の上へ落ちるだけですが、道の上を歩いてて転んだら川の中へ落っこちてしまいますからね」と酔っぱらいは答えて、人差し指で自分の額をとんとたたいた。まるで、こう見えてもこの中には酔いばかりではなく、ほかの人には考えもつかぬことが、まだ入ってたんですよ、と言わぬばかりに。
蓮 おばさん 美海 春菜 日和 結菜 琉星 心 柊 雄大 遼 翼 大翔 しろあり 順ちゃん 愛華 彩乃 結愛 琉偉 俊介 大夢 悠 陸斗 颯太 上州 栞奈 奈々 和奏 彩華 美月